Oops Magazine Vol.17
Oops WOMB クリエイティブディレクターharu、 ブランドマネージャー小川友菜
クリエイティブディレクター haru.
1995年生まれ。東京藝術大学在学中に、同世代のアーティスト達とインディペンデント雑誌HIGH(er)magazineを編集長として創刊。多様なブランドとのタイアップコンテンツ制作を行ったのち、2019年6月に株式会社HUGを設立。Oopsのクリエイティブディレクターを務める。
ブランドマネージャー 小川友菜
1996年生まれ。2019年に新卒で入社した企業で、美容ブランドの起ち上げや新商品の企画制作、SNS運用などを担当。2023年に株式会社SQUIZにジョイン。重い生理痛をはじめ、子宮まわりの病気や妊娠・中絶など、自身がさまざまな不安や悩みを経験したことから、Oops WOMBをローンチ。趣味はランニング、特技は起きて15分で家を出ること。
今回お話を伺ったのはOops WOMBブランドマネージャーの小川友菜さんと、クリエイティブディレクターのharu.さん。前編記事では「子宮(WOMB)」を掲げたブランドネームやクリエイティブに込めた想いについてお話しいただきました。この後編記事では、話し合いの中で生まれた「おりものシート」の"ちょっぴりピース"を体現する存在意義や、子宮にまつわる原体験について伺います。
日常の「地味すぎて人に話さないような選択」で、人生が変わることもあるはず
― Oops WOMBには、おりものシートもありますよね。
haru.:私が、みんなで座談会をしたときに「そういえばおりものシートってしっくりくるデザインのものがない」って話をしたんです。そしたら小川さんが「つくりましょうよ!」って言ってくれて。
小川:どうせなら、ということで結構こだわって。コットン100%の布で、肌触りもさらさらで気持ちよくて、めちゃめちゃおすすめです!(笑)
haru.:うんうん。私はショーツが汚れるのがイヤで、毎日おりものシートをつけてるんだけど、おりものシートってそんなに商品のバリエーションがないんですよね。しかも私はソングタイプの下着をつけてるから、余計、選択肢に困っていて。
― たしかに、ソングタイプのショーツにつけるおりものシートって見たことないかも。
haru.:あまりなくて、あっても結構奇抜というか、強めなデザインのパッケージだったり(笑)。毎回買うたびに「なんか違うんだよな」っていう小さな違和感があって。だから今回、Oops WOMBらしいデザインでレギュラーとソングタイプの2種類をつくることができたのは、まさに私の"ちょっぴりピース"な毎日を叶えてくれるできごとでした。
小川:おりものシートって、haru.さんみたいに「大事!」って思う人もいれば、気にしたことない人もいるアイテムですよね。ナプキンを使ったことがない人は多分ほとんどいないけど、おりものシートを使ったことない人はいると思う。
haru.:気持ちいいおりものシートを使うって、ぶっちゃけめちゃくちゃ地味な話だと思うんだよね(笑)。おりものシートの違和感がなくなったからって、その瞬間に人生が変わるようなことではないし。でも、こういう本当に地味な日々の選択が、自分自身の心地よさにつながると思う。そういうことをOopsが提案できるのはすごくいいですよね。
ていうか、私は意外とこのおりものシートのおかげで人生変わってるかもしれない。毎日お風呂に入る前に「ショーツがきれい!」って確認するのが儀式みたいになってて。超些細なんだけど、それがストレスになっていないことが、自分の中では大事なんだよね。
小川:そうなの。人生が変わるくらいの小さな選択ってあると思う!
haru.:毎日使うからこそ、買うたびに違和感があるデザインじゃない選択ができる嬉しさ。そこに共感してくれる人って意外といるんじゃないかな。
ピルを取り巻く環境をポジティブにすることで、「自らケアをしている」と思える人を増やしていきたい
小川:ちょっと話は変わるけど、生理前や生理中のセルフケアの文脈で「ピル」って全く出てこないよね。布ナプキンとか、ショーツとか、それこそ、こういうおりものシートみたいなちょい足しアイテムだったら出てくるのかもだけど。
haru.:そういう意味でも、Oops
WOMBは、ピル処方のサービスと、おりものシート、どちらも扱ってる意義ってあるよね。
小川:生理のことでもそれ以外でも、子宮まわりの心地よさを助けるアイテムとして、ピルもおりものシートも同じようにセルフケアの概念に入ってくるといいな。さっきも話に出たけど、避妊も、自分の体やパートナーと上手に付き合っていくためのケアでもあるのに、"避妊薬だから"に続くイメージのせいで、返って手を出しにくい人もいる。そういうハードルを、とっぱらっていきたいな。
haru.:前に小川さんが話してくれた原体験もきっとそういうことだよね。
小川:本当にそう。実は私、過去に妊娠して、出産を諦めたことがあるんです。それも、ちょうどピルを処方してもらおうか迷ってた時期で。あのとき世の中でピルがもっとポジティブなものとして扱われていたら、私の選択も違ったかもしれない。オンラインで手軽にピルを処方してもらえる、ということは大事だけど、それだけでは、あのときの私の背中は押してあげられない。だからこそ、haru.さんたちの力を借りてOops
WOMBという、いろんなメッセージを込めたブランドをつくってきたんです。
haru.:私自身も、「これは自分1人の力でどうにかできる問題じゃない」ということはずっと思ってた。大学生の頃から身体のことや生理にまつわることをマガジンで取り上げたり、企業とコラボしてメッセージを届けたりしていたけど、やっぱり届く範囲は限られてる。だからもっと大きなインパクトを持って世の中に届けられるといいなっていう、漠然とした願いはずっとあって。今回、こうやっていろんな経験をしている「私たち」が意見を出し合ってOops
WOMBを形にできたっていうのは、すごく嬉しい通過点なんです。
小川:やっぱり「身体のことを知る」とか「気にかけてケアする」とかって、病気だったり、何か大きなことが起きない限り、「自分は関係ない」って思ってしまう領域だと思うんです。そういう意味での「入りにくさ」を変えていくためにも、まずはOops
WOMBのポジティブな世界観を入口に、「自分で選択してケアしてる」と前向きに自覚しながら過ごせる人を増やしていきたいです。
あとがき
ほかの人のことは優しく気づかってあげられるのに、「自分のこと」となると疎かにしてしまう。そんな人って、たしかに意外と多いのかもしれません。だからこそ、日常で感じる小さな違和感に目を向けて、自分にとっての"ちょっぴりピース"を選択できることが大切。Oops WOMBがつくるポジティブな子宮まわりの世界観が、今後どんな風に世の中へインパクトを与えていくのか見守っていきたいと感じました。