高脂血症

血液中の脂質には、中性脂肪やコレステロールなど4種類あります。

中性脂肪やコレステロールは健康に悪いというイメージがありますが、中性脂肪は体内のエネルギーを貯蔵したり保温や外部からの衝撃を和らげたりする役割を担い、コレステロールはホルモンや消化吸収に必要な胆汁酸などを作る材料となっており、どちらも人間の体に欠かせないものです。

そのため、どちらもゼロになるのは好ましくありませんが、これらの脂質が多すぎると良くありません。

脂質異常症というのは、LDLコレステロール(悪玉)、HDLコレステロール(善玉)、トリグリセライド（中性脂肪）の血中濃度が異常な状態を示す病気です。
脂質異常症そのものには特に自覚症状はなく、見た目が変化したり、痛みなどを感じたりすることはありませんが、
放置すると脳梗塞、心筋梗塞など命に関わる重大な病気を発症する割合が増えるため、改善が必要です。

脂質異常症は、過食や運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲みすぎ、ストレスなどの生活習慣が関係しているといわれています。
それ以外にも、遺伝的な要因によって起こる「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。

LDLコレステロールの高値の原因は、食事中の飽和脂肪酸のとりすぎがあげられます。
バターなどの乳製品やレバー、魚卵、マヨネーズ、卵を使った菓子類など動物性食品に多く含まれているため、これらを日常的に食べている方は注意が必要です。

トリグリセライド（中性脂肪）の高値の要因は、カロリーの過剰摂取、特に甘いものや酒・油もの・糖質の摂り過ぎがあげられます。

脂質異常症を治療する薬は、大きく分けて「コレステロール値を改善する薬剤」「コレステロール値と中性脂肪値を改善する薬剤」「中性脂肪値を改善する薬剤」の3種類があります。

コレステロール値を下げる代表的な薬としてロスバスタチンというお薬があります。
ロスバスタチンは肝臓でコレステロールが合成されることを抑制する働きがあります。
その作用によって肝臓にあるコレステロールが不足し、不足分を補おうとする働きにより血液中のコレステロールが肝臓に取り込まれ、血液中のコレステロールが減少します。

中性脂肪値を下げる代表的な薬としてパルモディアというお薬があります。
中性脂肪の合成を阻害する薬剤働きがあり、 中性脂肪やLDLコレステロールを低下させ、HDLコレステロールを増加させる作用があります。